チャットのログが残るということ

旧来から使われているようなチャットシステムでは、コミュニケーションのすべてを「ログファイル」の参照によって行っています。チャットでのすべてのやりとりは発言された時間や、その発言が紐付くある程度のアクセス元に至るまで記録されることになります。通常、誰に見られてもいいような会話であれば問題はないのです。オープンなチャットシステムであり、誰でも入室できたりROMが可能なのであれば、「誰かに見られて困るような発言」はあり得ないからです。

チャットのシステムによっては、その「回」のコミュニケーションが終わったあとも、直前の会話のログファイルが残っている場合があります。そのログファイルはシステム上はもちろんですが、そのチャットシステムの画面上にも表示されていることが多いです。そのような場合は次のコミュニケーションが始まるまでそのログファイル衆目にさらされることになります。通常、オープンなチャットでは個人情報を公開するようなことは起こり得ないのですが、稀に発生するのが「自身のブログ」であるとか「自身のWebサイト」のアドレスを公開してしまうということです。そのチャットコミュニティの中だけであれば問題はありません。ですが、それがログに残ってずっと表示されたままだと、まさに「誰が見ているのかわからない」ということになります。

現在でも頻繁に「ブログが炎上した」という出来事を聞きます。それは芸能人が運営していても、一般のネットユーザーが運営していても、等しく「不運」として発生します。なんの前触れもないのにそのようなことが起こってしまうのは、「悪意のある誰か」にそのWebサイトやブログのアドレスが伝わってしまったからです。そのきっかけは実にさまざまなのですが、パブリックなサービスとして運営されているようなチャットサイトにそのような情報を残すと、そのような被害にあう「リスク」高くなります。

ブログに悪意のあるコメントを残すのは、完全な愉快犯です。アナタのことを知らなくても、少し気になっただけでそのブログに悪意のあるコメントを書き殴るのです。そしてその悪意は「他の悪意ある人」に拡散され、被害は甚大なものになります。そのような被害に遭遇したくなければ、不用意な場所にそのようなアドレスを残さないことが1番でしょう。

また、チャットによっては「クローズド」で運営されている場合もあります。そのような場合、ロックされればROMも不可能であることから、つい油断して個人情報などを書いてしまいがちです。そして退室する際に「スペース」などで画面をキレイにすれば、「もう安心」と考えてしまうのではないでしょうか。ですが、それでも「ログファイル」にはそのときのコミュニケーションの様子がしっかりと保存されています。画面上にないだけで、参照はできるのです。そのファイルを確実に閲覧できるのはそのサイトの「運営者」です。運営者であれば確実にすべてのログファイルにアクセスでき、ダウンロードし、閲覧ができるのです。

「ログが残る」というリスクは、「見ず知らずの誰か」に自分の大切な情報を見られてしまうということです。それは常に忘れてはいけません。

 

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