「ROM」とはなにか

「ROM」と呼ばれるチャット上での行動があります。それは「会話には参加せずただ誰かと誰かのやり取りを眺める」という行為です。それは「ROMる」という言葉とてして用いられることがしばしばあります。ROMは「リードオンリーメンバー」の略です。「読むだけ」ということになります。

ただ読むだけで会話に参加しないということの理由は人によってさまざまです。ただ両手がふさがっていて、ブラウザの自動リロードに任せるしかない場合、ただ暇つぶしがしたいけども、何かを「発言」するほど興味がない場合など、状況はさまざまです。ROMは電子掲示板においても使用される「スラング」です。不特定多数の人が使用するインターネットの「ログ」を共有するシステムにおいて、「誰でも見ることが出来る」ということを暗喩するものでもあります。

インターネットでの文字通信、特にメールを除いた通信、つねにチャットや掲示板などでは、自分のパソコンの外にその情報を預けることになります。つまり、自分の端末ではないものに情報を記録していることになります。それは特に制限がない場合、だれでも参照することが可能で、その情報は「コピー」が可能です。コピーされた情報はいとも簡単に違う媒体、違うログに書き込まれることも可能です。ROMは、「書き込まないけど見ている人がいる」ということを象徴する言葉です。そのログに書き込まなくても、「コピー」をしている可能性もあるということなのです。

チャットでは、とくに参加者の人数とハンドルネームが画面に表示されるようなものでは、その仲間だけで会話しているような錯覚を覚えることもあるでしょう。ですが、そのやりとりは他の誰かが見ているかもしれず、それを認識することができないようなチャットの場合、それを加味してコミュニケーションを行うことが必要です。さらに、チャットのプログラムが読み込んでいる「ログ」は確実に存在し、画面で表示できないような部分もまだ情報として残っている可能性もあります。そのような場合は、ある程度そのプログラムを理解できる人物であれば参照することができてしまうのです。例えば「管理人」です。管理人は確実にログを参照できます。

ROMといわれるメンバー、ただ見るだけの利用者がいるということを念頭におかなければ、オープンなコミュニケーションサービス上では少しセキュリティ上のリスクがあるかもしれません。どんなやり取りをチャットで行うのかはわかりませんし、状況や人によってさまざまだと思うのですが、「見られる」ということは忘れてはいけません。そして「不特定多数」の人が利用できるという事実も忘れてはいけません。世の中には「悪意」のある人は沢山います。それが「犯罪レベル」かどうかは別にしても、インターネットで不快な思いをしたことのある人は沢山いるものです。例えば自分のブログのアドレスを載せたが故に不快なコメントを沢山入力されただとか、そのような類の出来事は日常的にどこかで起きています。

チャットの位置づけは、自分の中で確実にしておく必要があります。クローズドで無い限り、ログが守られていない限り、なんでも書いてしまうのは危険というわけです。

 

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